0016 マシンガントーク
 口を挟む隙がない、というのはこういう状況をいうのだろうか、と四郎兵衛は頭のなかで考える。かれこれ四半刻は喋りつづけているだろう先輩に、彼は呆れとも感動ともつかぬ感情を覚えていた。
 普段ならこの長口上を遮るはずのほかの体育委員はいない。それもそのはず、滝夜叉丸と四郎兵衛は先程から木陰で伸びている金吾のお守りとして残ったのだから。――では、残りの小平太と三之助はといえば、三之助は相変わらずの方向音痴を発揮して行方不明、小平太はそんな三之助を探して獣道を走り去っていった。
(でも、なぜ七松先輩は滝夜叉丸先輩を置いていったんだろう……)
 普段ならば、金吾の世話は四郎兵衛に任せ、二人で三之助を探しに行くはずだ。しかし、今日は滝夜叉丸をこの場に残し、小平太ひとりが三之助捜索に出向いている。
(……一緒に連れていってくれたら良かったのに)
 そろそろ滝夜叉丸の自慢話も聞き飽きて、四郎兵衛はげんなりと肩を落とした。そんな彼の様子には気づかぬまま、滝夜叉丸はなおも口を動かしつづける。しかし、そんな彼の雰囲気が一瞬だけ変化した。肌にピリッとした感覚が走り、四郎兵衛は周囲を見回そうとしたが、それは滝夜叉丸の手によって阻まれた。
「……というわけで、わたしは美しく、才長け、素晴らしいのだ! 分かったか、四郎兵衛?」
「いえ、あの……」
 頭をがっちり固定されては、問いに答えることすらできない。けれど、傍に寄せられた滝夜叉丸の視線が何かを伝えていた。
「しかし、七松先輩はお戻りにならんな……仕方がない、先に下山するか! 四郎兵衛、準備しろ。金吾は私がおぶっていく」
「良いんですか、勝手に降りて」
 四郎兵衛の問いに滝夜叉丸は呵々と笑ったあとにぐだぐだとまた話を始めた。しかし、その間にチラチラと投げられる視線に四郎兵衛はこくりと頷いた。まだぐだぐだと話しつづける滝夜叉丸の背に金吾を乗せ、襷で彼の身体を固定する手伝いをする。その間も絶えることのない話には辟易したが、とにもかくにも彼らは下山を開始したのであった。
 金吾を背に負った滝夜叉丸のあとに続くが、背後が気になる。何度も視線を向けたいと思ったが、それは己の前を走る滝夜叉丸からのピリピリとした気配で止められる。仕方なく滝夜叉丸の背をじっと見つめてしばらく駆けると、突如横の薮からがさがさと音がした。すわ獣かと身構えたが、そこから顔を出したのは先程別れた体育委員長、七松小平太である。驚いて息を飲んだ四郎兵衛とは対照的に滝夜叉丸は呆れた表情で薮から出てくる小平太を見遣った。その腕にはうんざりとした顔の三之助が捕らえられており、それを見た滝夜叉丸が露骨に溜息をついた。
「なんだよ」
「相も変わらず、世話をかけおって。少しは自分の悪癖を自覚したらどうなんだ」
「悪癖だらけのあんたにだけは言われたくない」
 三年と四年というだけでも仲が悪いというのに、さらにこの二人の言い合いは辛辣だ。しかし、 普段ならばもっと続くはずのやり取りは、当たり前のように小平太が滝夜叉丸と三之助に輪にした縄をかけたことで終わった。滝夜叉丸は何も問わずにその縄を引いて強度を確かめ、四郎兵衛を視線で呼び寄せる。彼は四郎兵衛を輪のなかで殿につけると、襷で自分に縛りつけた金吾の身体をさらに頭巾を外して厳重に己へと縛りつける。多少のことでは落ちないことを確認すると、滝夜叉丸は小平太に向かって頷いた。
「では」
 それだけで全て理解したように小平太は同じく頷き、彼は明るく笑って滝夜叉丸たちに手を振った。それと同時に滝夜叉丸が走りだし、四郎兵衛は半ば引きずられる形で走りだすことになった。
 しばらく駆けたあとに、背中に悪寒のようなものが走る。それに四郎兵衛は驚いて振り返ったが、先を行く滝夜叉丸が足を止めないために縄に引きずられる形となった。慌てて再び足を動かしながら、ちらりと視界の端に見えたものへ鳥肌を立てる。――小さく見えた小平太は、黒い忍服を着た数人の男たちと対峙していた。
「先輩……!」
「良いから、足を動かせ! ……私たちでは足手まといだ」
 苦々しく吐き捨てた滝夜叉丸に、四郎兵衛は息を飲む。普段は何かと反抗する三之助ですら、今は何も言わなかった。それに四郎兵衛も唇を噛みしめると、強く地面を踏みしめる。滝夜叉丸の唇から漏れた矢羽音はまだ四郎兵衛には理解できなかったが、それが向けられたであろう人間は大きな声で「いけいけどんどーん!」と雄叫びを上げた。



「……先輩」
 急いで学園に戻った体育委員会の面々は、その足で学園長の許へ訪れて曲者の存在を彼に告げた。そうして教師たちが小平太の残る裏々山へと向かったところで、四郎兵衛は未だ渋い顔をしたままの滝夜叉丸に声を掛けた。彼は先程とは打って変わって沈黙を保ち、ただ眉を上げるだけで四郎兵衛の言葉の先を促す。それに四郎兵衛は少し視線を彷徨わせたあと、小さな声で呟いた。
「いつから分かってたんですか……? その、曲者がいるって……」
「裏々山を登ったり降りたりしているとき、だな。七松先輩が先に気づかれて、それで私も気づいた。しかし、迂闊に動いて敵に悟られては、我々のほうが困る。――だから、通常通りの活動を敢えて続けていた」
 では、活動のかなり最初のほうから気づいていたのだ、と四郎兵衛は驚く。それゆえに今日の活動が非常に早く切り上げられたのだ、と理解した。そして、普段なら滝夜叉丸も加わる三之助の捜索に彼が向かわなかったことにも合点する。
「……僕たちのこと、守ってくださっていたんですね」
「下級生を守るのは上級生の役目だからな。――まあ、この優秀な私にかかればお前たちを守りながら敵を迎え撃つのもできなくはないことだったが」
 いつもどおりの自信ありげな言葉に四郎兵衛は脱力しつつも、ひどく安心した気分になった。ぐだぐだと続く自慢話にこんなに安堵する日が来るとは思わなかった。しかし、四郎兵衛はふとあることを思い出し、珍しく滝夜叉丸の言葉を遮って口を開いた。
「先輩、最後七松先輩に何て伝えたんですか? 矢羽音、飛ばしていらっしゃったでしょう?」
「ああ、あれか……別段大したことではない。気にする必要もないことだ」
 けれど、滝夜叉丸はそれ以上は何も言わない。大したことがないなら内容を教えてくれても良いのでは、と思ったが、少しだけ気まずそうな顔をしていた滝夜叉丸があまりにも珍しかったので、彼はそれ以上追求することをやめた。――何より、滝夜叉丸が少しだけ頬を赤くしていることで内容も何となく理解できたことが大きい。これで案外心配性の滝夜叉丸にくすぐったいような気持ちを覚えながら、四郎兵衛は気づかれないように笑みを浮かべたのだった。

| SS::1000のお題集 | 19:28 | comments (x) | trackback (x) |
通販休止+ログUp
 そんな感じで、今日はちょっと動きがあった気がします。自分のなかで。
 まずは、SPARKへの宅配搬入で在庫を全部送ってしまったので、しばらく通販休止です。SPARKが終わったらまたちらりと再開します。

 それから、リハビリ用に書いていた1000のお題が15本ぐらい溜まったので、それに伴いログを作りました。あ、しまった。目次にCPも何も書いてない気がする。あとでやっておきます。
 そして、30×17のタカくくをシリーズとしてまとめるためにPixivに転載しました。このために大分修正しました……一応、サイトのログは修正版です。ブログのSSは基本的に直さないのが私のスタンスです。HTML化するときには大体てにをはとか誤字脱字を気づいたら修正します。小説でタカくく、女体化でタグ検索すればまず間違いなくほぼわたししか出てこないので、シリーズ単体でご覧になりたい方はそちらをお願いします。サイト上でシリーズとしてまとめることは基本ありません。他に何かシリーズができても、きっと似たような感じになるんじゃないかと思います。Pixivのシリーズ機能なるものを初めて使いました。

 そして、オフ情報もさり気なく更新してます。つっても、新刊コピーですが。
 一応、「やさしい闇」シリーズの最終刊が出る予定です。番外編をコピーで出すかどうかが一番の悩みどころですが、多分再録での書き下ろしになるような気がします。今回もエロです。普段は優しいタカ丸さんw を書いているので、軽薄なタカ丸さんは難しいです。でもすごく楽しいです。タカくく♀もっと増えればいいのに。あと、間に合ったらこへ滝の無配ぐらいは出したいなと思います。こへ滝SPですし。

 今後のイベントとしては、今年は多分冬コミが受かれば冬コミ、そうでなければ五忍に申し込んでそれを最後にしたいと思います。五忍はまだ悩んでいるのですが、冬コミに落ちれば確実に参加します。
 で、来年のことなのですが、来年はちょっと諸事情により、イベント直参をほぼ取りやめます。夏コミ・冬コミが受かればそこに出て、そうでなければ夏の代替イベントとしてSPARKに参加したいな、とは思ってますが。再来年の春コミは出ます。
 その代わりというのもあれですが、来年はサイトの更新に力が入れられたらな、と思います。いろいろと止まっている連載やら何やらがあるので、その大風呂敷をとりあえず畳みつつ、ちょっと厚めのオフ本の原稿なんか書けたらいいなあ、とすごく希望的観測ですが。
 今はとりあえず新刊の原稿をのろのろながら進めております。タカくく……!(`・ω・´) 冬が受かったら、前にも既に書いている気がしますが、こへ滝の文庫新刊を出したいと思ってます。頑張れわたし……!

| 戯言 | 22:45 | comments (x) | trackback (x) |
0015 女王様とお呼び
「……タカ丸さん、こういった趣味もおありなんですか。意外ですね」
 兵子はベッドの下から覗く本を引き出し、その表紙をとくとくと眺めた。『月刊女王様』とどぎつい色のタイトルが踊るそれは、特集の文字の後ろにボンテージ姿の女性が男性を足蹴にして写っている。中身を確かめるべくページを繰ろうとしたら、バタバタと駆け寄ってきたタカ丸に勢いよく引ったくられた。
「何見てるの!」
「ベッドの下からはみ出していたのを拾っただけです。――しかし、意外ですね。タカ丸さんに被虐趣味があるとは。言ってくださればいくらでも苛んで差し上げるのに」
 顔を真っ赤にして雑誌を遠いところへ放り投げるタカ丸に対し、兵子は顔色ひとつ変えず平然と告げた。それにタカ丸がパクパクと金魚のように唇を動かし、なおさらに顔を赤くする。それに全く男女が逆だな、と思いながら、兵子はタカ丸に一歩近づいた。それにタカ丸が一歩退き、さらに兵子が距離を詰める。壁際まで追い込んだタカ丸が怯えて喉を鳴らすのに、兵子は艶然と口の端を上げた。
「どうして逃げるんですか?」
「そっちが寄ってくるからでしょ!」
「タカ丸さんが逃げるからですよ」
 兵子はそう言いながら、己の手を持ち上げて、タカ丸の頬に指で触れた。手のひらで優しく撫で、左右非対照に長い前髪に指を絡ませる。そのまま少しだけその髪を引き、兵子はその頬に唇を寄せた。両手で彼の頭を緩く引き寄せ、唇を滑らせる。普段は前髪で隠れ気味の耳へと唇を移動させると、その耳朶を甘噛みした。
「なっ、にするのっ!」
「もっと痛いほうが良かったですか?」
「違うっ! っていうかね、そういう問題じゃなくてっ! 女の子がそういうことするんじゃありませんっ!」
 兵子を軽く突き飛ばして壁沿いに逃げたタカ丸は、顔どころか首筋まで真っ赤に染めて耳を押さえる。怒鳴りつける声すらも少しうわずっており、兵子はそれになおさら口の端を上げた。
「生憎と、わたしに嗜虐趣味はないもので。――感じて泣いているならそそりもしますが、苦痛に浮かんだ涙ではね」
「だから、そういう問題じゃないってばっ! 大体、女の子なんだから恥じらいとか慎みとか、そういうのをまずだね……!」
「ああ、タカ丸さん。女性に〈女性らしさ〉なるものを求めるのはセクハラに当たるそうですよ」
「えっ、そうなの? ごめん……ってそうじゃない!」
 タカ丸は問題をすり替えられそうになっていることに気づき、慌てて声を張り上げた。
「だーかーらーっ! 言ってるでしょ! 女の子がそんなことしちゃ駄目っ! 俺だから良いけど、他の男にそんなことしたら即襲われるよ!? 兵子ちゃん可愛いんだから」
「ありがとうございます。でも、タカ丸さん以外にはしませんから大丈夫ですよ」
「そういう意味でもないっ! もおお……! 襲われても知らないんだからね!」
 その言葉に兵子は少しだけ目を見開いたあと、艶然と笑った。しかし、先程見せた妖艶さはそこにはなく、ただ目を見張るほど美しいそれにタカ丸は一瞬目を奪われる。けれど、続いて届いた言葉に彼は言葉を失った。
「襲ってくださるのならいくらでも。――むしろ、わたしが襲いたいくらいですよ」
「……そうじゃないってばあ。大体、何で君ウチにいるの……」
「貴方についてきたからです」
「だから、そうじゃないって……」
 タカ丸は何を言っても斜め上の言葉を返す兵子に何を言って良いか分からず、彼女から身体ごと顔を背けて言葉に表せない胸のわだかまりに頭を掻きむしった。――初めて会ったときからずっと押しの強い彼女に、明らかに流されている。それに強い反発を感じながらも心の底では嫌だと思っていない自分には気づかないまま、タカ丸は背後から身を寄せる兵子の体温を溜息とともに受け入れたのだった。

| SS::1000のお題集 | 19:54 | comments (x) | trackback (x) |
0014 煙草を逆さに咥え、そのまま火をつける。
 煙草は随分前に止めたはずだったが、今ばかりは煙草でも吸わないとやっていられない。たまたま残っていた安物のライターがカチカチと音を立てる。――火が点かない。火花を散らすばかりで反応の悪いライターは、それからさらに数回試したあとにようやく彼の望みを叶えた。少し古い煙草をくわえ、その先に火を点ける。しかし、くわえた煙草の前後が逆だったことで濃厚な煙を吸って盛大にむせる羽目となり、タカ丸は苛々とそれを近くのコップに突っ込んだ。灰皿はとうに捨ててしまったためだ。らしくなく「くそっ!」と悪態をつくと、彼の動揺の原因がもぞりと隣で動いた。
「煙草は身体に悪いですよ、タカ丸さん」
「……何で一緒に寝てるの」
 低く問いかければ、傍らの少女が肩を竦める。そして、タカ丸を打ちのめすように口を開いた。
「先に言っておきますが、放してくれなかったのはタカ丸さんですよ。帰ろうと思ってたのに」
「……俺、君に何したの」
 嫌な予感を覚えながら、タカ丸はさらに低い声で問いかける。それに兵子は少し眉を下げて、彼の胸に手を置いた。それで自分が裸であることを無理矢理にでも意識させられ、タカ丸は先程からガンガンと響く頭の痛みがなおさら強くなった気がした。しかし、兵子はそんなタカ丸にただ溜息をつき、その手を彼から離す。手の動きを追えば滑らかな白い肌が視界に映り、タカ丸は吸い寄せられそうになる視線を無理矢理引きはがした。
 そんなタカ丸に兵子はもう一度小さく溜息をつくと、寝乱れた髪を手櫛で整える。そして、少しだけ淋しそうに笑った。
「まあ、あれだけ酔えば記憶もなくなるでしょうね。
 ――貴方が危惧しているようなことは一切ありませんでしたよ。わたしは飽くまで酔っ払いの介抱をしたまでですから」
 タカ丸はその言葉にようやく昨晩自分の美容院のスタッフと飲みに行ったことを思い出す。いろいろと丸め込まれるようにアルバイトに雇ったこの少女も、アルコール類を摂取しないという約束の下で連れていった。しかし、少し疲れていたタカ丸は盛大に酔ってしまったらしく、途中から記憶がない。年甲斐もなくやらかした失態に頭を抱えると、もう一度小さな溜息が傍らから聞こえた。
「だからあれほどもうやめておけと言ったのに」
「子どもには分からないイロイロが大人にはあるの」
「それで正体なくして子どもに世話されてたんじゃ、意味ないでしょう。――因みに一応説明しておきますが、泥酔したタカ丸さんをタクシーでここまで送って、部屋まで連れて帰ってきたあと、ベッドに運ぼうとしたら途中で貴方が戻して、服がめちゃくちゃになったために上下どちらも脱がしたんです。よく見てください、パンツはいてるでしょう」
 タカ丸はその言葉に自分の下半身を見下ろし、確かにその言葉のとおりに自分が下着をはいていることに気づく。それに大きく胸を撫で下ろしたあと、ハッと我に返って兵子を睨みつけた。
「ちょっと待って! じゃあ、何で兵子ちゃんまで脱いでるの?」
「それは勿論、貴方が戻したときにわたしが貴方を前方から支えていたからです。お陰さまで、服どころか下着まで濡れましたよ」
「…………マジで?」
「こんなことで嘘をついたって仕方がないでしょう」
 己の情けなさに俯いてしまったタカ丸を他所に、兵子は無言で立ち上がる。ペタペタと裸足の足音が遠ざかり、タカ丸はなおさら情けない気持ちになった。けれど、足音はしばらくしてからタカ丸の許へ戻り、熱くて柔らかい何かをその顔に押しつけた。覗き込まれるような形で顔をこすられ、タカ丸はようやくそれがホットタオルであることに気づく。驚いたタカ丸がそれに顔を上げると、呆れた顔で兵子が口を開いた。
「立てるようなら、一度うがいをしたほうが良いと思いますよ。今はまだ気づいていないようですが、口のなかも随分気持ち悪いんじゃないですか?」
「……そうする」
 促されるままにベッドから這い出すと、頭痛がひどくなったような気がした。それを我慢して立ち上がるものの、ふらつく足に思わずたたらを踏む。しかし、転ぶ、と思うより早く脇から兵子が身体を支えてくれ、タカ丸は安定を取り戻す。視線よりかなり下にある頭を見下ろしながら、タカ丸はこの細い体躯のどこにこんな力があるのだろう、と己を危なげなく支える兵子を少しだけ疑問に思った。
 なんとか介助なしで洗面台に辿り着いたタカ丸は、言われたとおりにうがいを繰り返す。再びベッドに戻ろうとしたときに、二人分の服がハンガーにかけられて部屋干しされていることに気づいた。しわを綺麗にのばされたそれはまだ生乾きで、着られたものではない。タカ丸は兵子の分だけ手に取ると、それを浴室のなかへと入れた。天井近くに伸びるポールへとハンガーをかけ、乾燥のボタンを押す。タカ丸が再び覚束ない足取りでベッドへと戻ろうとすると、そこに座る兵子が目に入った。
 こちらに背を向けているために表情は分からないが、その体躯が類を見ないほど均整を保っていること、その肌が白く美しいことは見て取れる。惜しむべくは右肩に残る傷跡だが、彼女はそれを気にした様子もない。カーテンから漏れる朝日に照らされたその姿はまるで一幅の絵のようで、タカ丸は一瞬その光景に目を奪われた。
「タカ丸さん? 大丈夫ですか?」
「あ……うん、平気。っていうかね、兵子ちゃん。君せめて前を隠すとかしたらどうなの」
「見たければ好きなだけどうぞ?」
「いやだからそういう問題じゃなくてね……ああもう! とにかくこれ着て!」
 タカ丸は自分のクローゼットからシャツを一枚取りだし、それを兵子に押しつける。それに彼女は少しだけ顔をしかめたものの、溜息をつきながらそれを大人しく着こんだ。兵子には大きすぎるそれは逆に背徳感のようなものを増させたが、これ以上裸でいられるよりかは良い。それだけで疲れ果ててベッドに倒れ込んだタカ丸に、兵子は追い打ちをかけるように呟いた。
「これが男の人が萌える、という噂の彼シャツというやつですか」
「……違うからね。そうだけど違うからね……」
「別に遠慮しなくても。わたしはいつだってタカ丸さんを受け入れる準備はできてますよ」
「俺のほうにはそんな準備ないから……っていうか、兵子ちゃん学校は?」
「今日は休むって親に連絡入れました。気分が悪いということで」
 その言葉にタカ丸は深いため息をついた。彼女の母は兵子がタカ丸の家に押しかけることも、ずる休みすることも何にも思わないらしい。むしろ、彼女曰く「ようやく人間味が出てきた」と喜んでいるそうだ。それは親としてどうなのか、と常識的なことを考えながら、タカ丸は己の身体に布団をかけてくれる兵子に顔を向けた。
「……布団をかけてくれるのは大変ありがたいんだけど……どうして兵子ちゃんまで一緒に入ってるの……」
 もはや疲れきって語尾を上げるだけの気力もない。しかし、対する兵子は生き生きとした様子でタカ丸の傍に身を落ち着けると、当たり前のように口を開いた。
「わたしの服、まだ乾いてませんから」
「いや、うん……そうなんだけど」
「まさかタカ丸さん……わたしにノーブラのうえ、サイズの合ってないこのシャツでひとり電車に乗れと?」
 兵子の咎めるような言葉に、タカ丸はもはや返す言葉すらなかった。ただ彼女に背を向けるように寝返りを打ち、傍にある体温を意識しないように目を閉じる。けれど、兵子がその背中に寄り添うように身を寄せてくるため、タカ丸は再び彼女へと口を開いた。
「襲われたくないなら離れてくれる?」
「むしろ襲っていただきたいくらいですが。――でも、どちらにせよ今日は無理でしょう。その体調じゃ、勃たないでしょうから」
「だから! そういう発言はやめなさいと何度言ったら……! もう、女の子でしょう! おじさん怒るよ!?」
「はいはい、分かりました。――ほら、二日酔いで頭痛いんでしょう? 怒鳴ったら頭に響きますよ」
「誰が怒鳴らせてるの……!」
「はいはい、私ですごめんなさい。さ、もう寝ましょう。何なら子守歌くらい歌って差し上げますよ」
「いらない!」
 子どものように布団を頭まですっぽりかぶってふて寝してしまったタカ丸に、兵子は少しだけ笑みを漏らす。しばらくして聞こえた小さな寝息に、彼女はひどく優しい顔で布団の塊を撫でた。力が緩んだところを見計らって布団を引き寄せ、自分もそのなかに入りこむ。心音が伝わるほどの距離までその身を寄り添わせると、兵子は伝わる温もりに泣きたくなるような感情を味わった。この鼓動も、体温も、もう消えることはない。それだけのことが幸せだった。



「――全部見せるから、もう一回俺に惚れてよ」
 良いところも、悪いところも全部。そう呟いて、兵子はタカ丸の頬に触れる。指に絡む髪の毛を弄びながら、彼女は穏やかな時間に目を細めた。
 正直なところ、久々知兵子として生まれる前の経験と知識を生かせば、タカ丸を己の虜にすることなど容易い。けれど、それでは意味がないのだ。取り繕ったことで手に入れた愛情など、兵子にとっては何の価値もない。欲しいのはそんなものではなく、タカ丸の全てなのだから。
 生まれる前に生きた記憶に刻みつけられた目の前の男の記憶を辿りながら、兵子は小さく息をつく。――そう、偽りなど意味がない。過去の自分がありのまま彼に受け入れられ、愛されたように、今もまたそれが欲しいのだから。
 けれど、今はまだ欲張るまい、と兵子はタカ丸の頬に当てた手を離した。その代わりにもう少しだけタカ丸へと近づくと、彼女は途切れることなく伝わるその温もりに寄り添いながらその瞼を下ろす。とろりとした暗闇が兵子を包み、眠りへと誘っていく。その心地よさに溺れるように、兵子はその暗闇へと沈んでいった。






 以前に日記で書いた、30歳タカ丸と17歳久々知の転生パロ。タカ丸は記憶なし、兵子は記憶あり。
 本当は昨日書き上がっていたのですが、セッションエラーで\(^o^)/ 最初に書いた奴が肉食系で良かったのになあ……と思いつつ、とりあえず書き直してUP。タカくくだけど肉食系女子な久々知にたじたじになっているタカ丸さんも美味しいです。

| SS::1000のお題集 | 12:36 | comments (x) | trackback (x) |
朝から日記。
 最近、朝型人間になろうとして、夜10時に寝て朝4時に起きようとする生活が続いています。平日に夜10時に寝るってなかなかきついんですが、なるべく日付変わる前に寝てます。夕ご飯は春雨スープになりました。遅くなるともう食べません。痩せるかな……?www
 原稿は朝のほうが割とはかどります。やることがあんまりないからかな? 同じようにネットに向かっていても、朝と夜とじゃなんとなく違うんですよね。不思議です。でも、夜更かしして朝起きるよりかは、とりあえず一度は寝ているという安心感がありますね。睡眠時間はそう変わらない気もするのに不思議なことです。

 次はSPARKだなあ、と思いながら、SPARKいつだっけ……? となっています。
 忍FESのときもそうだったのですが、最近イベントの当日になっても当日の実感が湧きません。……どうしたことでしょう……?(;´Д`) 原稿はちゃんと進めてはいます。多分。進んでるよ、ね……?(自己確認)
 SPARKの新刊は、多分タカくく♀の最終刊(兵子Side)になると思います。タカ丸サイドはコピーで出すか、書き下ろしにするか現在検討中です。もう一本この二人で書きたいネタがあるので、それもぎゅっと詰め込んで、いつかこう……オフでね、出したいと思います。わい、ドキワクセットにぶちこむんや……!(`・ω・´)
 最近はタカくくばっかり書いてますが、冬はこへ滝の新刊が出ると思います。以前に予告していた文庫のやつです。今ではオフの新刊情報からも削られたままのアレを……w できれば書きたいなあ、と思っています。ネタのストックばかり増えていくのですが、時間と余裕が足りなすぎて全然形になりません。早く、早く誰か妄想を頭から直接アウトプットする機械を開発するんだ……!

 そういえば、そろそろお題も10を越したので、HTML化してログにでも突っ込みたいですね。目次をどうするか現在考え中です。1000のお題はインデックスページだけでもHTMLタグが膨大な量になって、エディタがめちゃくちゃ重くなりますwww テキストだけのくせにwww
 普段はお題をぼーんと置いておくのですが、CP別とかに分けたほうがいいのかな……でも面倒くさいなあ……とか思ってます。以前に別サイトでやったときはシリーズがあったので、それに沿ってまとめていたのですが、落乱だとそういう枠がないのでやっぱりお題順に並べて、括弧でCPとか注意事項とかかなあ、と思ってます。
 そろそろサイトもいろいろ動かしたいのですが、さてどうしたものか、という感じです。いろいろ大風呂敷広げすぎて、どこから手を着けるべきか……ァ '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、 とりあえず、そろそろお題と転生パロの続き、の前に四年生頑張る。のラストを書かないとですね。あれも中途半端に終わっている……神様、影分身をするためのチャクラをわたしに……!(ジャンルが違う)

| 戯言 | 04:48 | comments (x) | trackback (x) |
0013 泥酔拳
「世のなかには、酔えば酔うほど強くなる武道家がいるらしいですぞ、土井先生」
「何を馬鹿なことをおっしゃるんですか、山田先生。そんなの、あるわけないでしょう」
「いや、それがどうも本当らしい。松千代先生が唐土の本でそんな武道家の話を読んだとか」
 半助は伝蔵のその発言に少しばかり眉をひそめた。常識的に考えるならばそんなことはありえない。けれど、それがただの噂話ではなく、二年生の教科担当である松千代万から出たというなら話は別だ。極度の恥ずかしがり屋という欠点はあるものの、図書委員会の顧問でもある彼は世間の情勢に詳しく、慎重であるためにもたらす情報も正確だ。――つまり、彼がそう言うのならば、本当にそういう武道家がいるのだろう。
 しかし、その存在に半助はなおさら大きく顔をしかめた。伝蔵を見れば、彼もまた険しい顔で溜息をついている。二人は揃って顔を見合わせ、小さく首を振り合った。
「生徒たちには内緒ですな」
「全くです。
 ――酒、欲、色。子どもたちには今まで忍者の三禁として教えてきたのに、そんな特殊な武道に傾倒されては困りますからね」
「誰もが酒に強いわけでもありませんしな。第一、酒に寄って敵に勝てたところで忍働きに役立つことはない。忍の本分は飽くまで忍び、影として動くこと。敵と面と向かって戦うなど、忍の策としては下の下と言わざるを得ない」
 伝蔵の発言に半助は深く頷いた。忍の道を教える彼らにとって、忍術とは科学。そして、人の為すものである。――下手に奇天烈な技術を耳に入れて、本分に身が入らなくなることは避けたかった。それは伝蔵としても同じ思いのようで、彼らはもう一度顔を見合わせると、揃って小さな溜息をついた。

| SS::1000のお題集 | 12:43 | comments (x) | trackback (x) |
ぽそっと呟いてみる。
 今度の土曜日の夜辺り、チャットとかどうですか……? | 冫、)ジー
 個人的にタカくく♀とか語りたいわけです。タカくく好きさんは割と多いけど、にょただとタカ丸さんばっかりなわけです。にょたな久々知先輩の魅力について語りたいわけです。ギャルも可愛いけど、ストイック女子高生な久々知先輩とか良いと思うんです。どうでしょう。
 勿論、話の流れでこへ滝・竹孫なども話題に上ることと思います。さり気なくちょっと時間になったら入口を作るので、もしご興味のある方は是非。別にタカくく♀縛りとかではないので、わたしに構ってくださる方がいらっしゃればお願いします。

 10/08 22:00〜からかな? もしかしたら21:00からやるかもしれませんが。とりあえず、頑張って起きてるよ。お時間ある方はよろしくお願いいたします。


| 戯言 | 21:26 | comments (x) | trackback (x) |
0012 ヤケ酒
「いってえ……七松先輩、容赦なさすぎだろ……」
「潮江先輩もだよ……あー青痣できてる。何か、兵助と鉢屋は平然としてるよね、立花先輩と中在家先輩だっけ? 羨ましい」
 ボロボロになった身体を気力だけで風呂まで運んだ五人は、五年の集合場所としてお決まりとなった三郎と雷蔵の部屋まで引きずり、部屋の戸を後ろ手に閉めた瞬間、それぞれ床へと崩れ落ちた。しかし、床にぺったりと頬をつける八左ヱ門、勘右衛門、雷蔵に対し、兵助と三郎は座り込みはしたものの、まだ体勢を保っている。それに勘右衛門が唇を尖らせると、彼ら二人は揃って顔をしかめた。
「そんなわけないだろ。さんざっぱら遊ばれたんだから。……もう立花先輩の私的使用の火薬、絶対融通しない」
「すぐに無言の圧力に負けるくせに」
「うるさい。三郎だって中在家先輩に散々振り回されていたくせに」
 茶々を入れる三郎を睨みつけた兵助は、不機嫌なまま三郎へと吐き捨てる。その発言に三郎は明らかにムッとした表情を浮かべ、二人の間に険悪な空気が流れた。
「あーあーやめやめ! それでなくても疲れてんだから、これ以上疲れさせんな!」
 その間に割って入ったのは八左ヱ門だ。彼は手に掴んだ何かを二人の間に差し入れ、その注意を逸らす。しかし、その手にあるものを見た三郎が柳眉を跳ね上げ、目の前に突き出された八左ヱ門の手首を掴んだ。
「これは私の秘蔵の酒じゃないか……どっから出してきた」
「あ、僕が出した。もう飲まなきゃやってられないでしょ?」
「雷蔵!?」
 三郎は雷蔵の言葉に泣きそうな声を上げた。普段から顔を借りている手前、三郎は雷蔵に強く出られない。雷蔵もそれをよく分かっているため、もう一本隠してあった三郎の酒を既に開けて勘右衛門と飲みはじめている。それを目の当たりにした三郎はがっくりと肩を落とし、口のなかで泣き言ともつかぬ愚痴をこぼした。
「あ、良い酒だな。さすがは三郎」
 対する兵助は勘右衛門から回されたお猪口に八左ヱ門の手から奪った酒を注ぎ、ひとり先に楽しんでいる。それを見た三郎は力尽きたように八左ヱ門の手首を放し、深い深い溜息をついたあとに引き寄せたお猪口を八左ヱ門に突き出した。
「こうなったらトコトンまで飲んでやる! さあ、八左ヱ門注げ!」
「ほらよ。あ、雷蔵、肴は?」
「あー今はおまんじゅうしかない。勘右衛門たち何かある?」
「部屋に戻れば豆腐がある」
「豆腐以外で!」
「あとは炒り豆くらいかなあ……兵助、取ってくる?」
「そうしよう」
 八左ヱ門の拒否を意に介した様子もなく、勘右衛門に促されるまま兵助は立ち上がる。無視される形となった八左ヱ門はムッとした顔をしたが、酒が喉を通ると機嫌を直し、彼らをにこにこと見送った。――しかし、彼らは知らない。このときが最も幸せで穏やかな時間であったことを。
 しばらく後にその部屋の戸を開けたのが先程出て行った二人よりも六人ばかり多かったことから、彼らの平穏な時間は一瞬にして崩れ去ったのである。

| SS::1000のお題集 | 12:34 | comments (x) | trackback (x) |
0011 地獄巡り
「よし! 今日は裏々々々々々々山まで登ったり下りたりしたあと、みんなでバレーボールしよう!」
 委員会開始早々に告げられた言葉に、平滝夜叉丸以下体育委員会の面々は揃って顔を引きつらせた。それもそのはず、今委員長が告げた言葉にいくつ「裏」が入っていただろうか。しかも、登ったり下りたり、と簡単に言うが、実際に行く道は平坦どころか獣道も良いところなのである。委員のなかで誰よりも早く我に返った滝夜叉丸は、背後で始める前から魂を飛ばしている下級生二人に気づき、精一杯の険しい表情で目の前の青年へと口を開いた。
「な、七松先輩! いくらなんでも無茶苦茶すぎます!」
「何が?」
 しかし、返ってきた言葉は彼の危惧など気づいてすらいないもので、滝夜叉丸は思わず絶句した。――しかも、これが本気なのだから性質が悪い。
「何が、って……」
「ほら、早く準備しろ! 出発するぞ!」
 追い撃ちをかけるように告げられた言葉に、滝夜叉丸は今度こそ絶句する。どうしたら、と別の切り口を求めて周囲を見遣れば、ひとつ下の後輩が下級生二人の魂を鼻から戻していた。その瞳には既に諦念が浮かんでおり、滝夜叉丸はそれ以上もう何も言うことができなくなる。魂を戻された下級生たちも委員長の様子を見て抵抗は無駄だと悟ったらしく、暗い顔で走る準備をしはじめた。けれど、その背中があまりにも悲痛であったため、滝夜叉丸はせめてもの抵抗として口を開いた。
「七松先輩……登ったり下りたりは一回までにしましょう」
「何で?」
「……バレーボールもなさりたいのでしょう? 裏々々々々々々山まで何度も登ったり下りたりしたら、すぐ夕飯の時間になってしまいますよ」
 これは事実だ。それ以前に、裏々々々々々々山まで往復する時間があるかどうかも怪しい。勿論、小平太と滝夜叉丸だけならば彼の望みを叶えることもできよう。しかし、ここには無自覚方向音痴の三之助にまだ体力のない四郎兵衛、金吾がいるのだ。彼らのことを考慮すれば、どうしたって時間は有り余るほどに必要になる。
「……さすがに仕方がないかあ」
 さすがの小平太も下級生の体力については把握しているらしい。とにもかくにも何とか下級生たちを屍にしないで済みそうなことに滝夜叉丸は胸を撫で下ろしながら、それでも地獄の入口となるであろう忍術学園の校門を見て深い溜息をついたのであった。
| SS::1000のお題集 | 19:59 | comments (x) | trackback (x) |
おまけSS公開しました!
 本当は昨晩の午前0時に上げたかったんですが、準備が間に合いませんでしたとさ……orz 申し訳ない。
 とにもかくにも、本日から公開になります。忍FES新刊にしおりがついているはずですので、そちらのURLにアクセスしてご覧ください。なお、サイトでの通常公開の予定はないです。
 ちなみにわたしのほうは本当におまけSSですが、いろはさんが本気出したのでそっちにご期待ください。小平太……!(きゅん)

 さて、今度はスパークですね。スパークの新刊はコピ本予定です。多分、タカくく♀の最後と、書けたらこへ滝の無配ぐらい……何とかならんかな、と。
 十忍はどうしようかなー新刊……まだ何にも考えてません。そろそろどーんと長編とか書きたいんですけど、100Pの壁を越えるのがなかなか難しいんですよね。そういえば、わたし書こうと思っていた室町ひどいシリーズもまだ途中……盲とか、ね(*´σー`)エヘヘ 書きたい話とかストックはいっぱいあるんですが、なかなか難しいところです。

| 連絡事項 | 13:13 | comments (x) | trackback (x) |

  
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