0001 登場が派手すぎます
「目元アップ! 口元アップ! 髷アップ! 今日も素敵な滝夜叉丸!」
 決まった、と滝夜叉丸は口の端を持ち上げた。美しく全てに才長けた己には、それに相応しい登場の仕方がある。赤い薔薇を手に屋根から降り立った滝夜叉丸は、その薔薇を天にかざしてもう一度ポーズをとった。
「……滝夜叉丸先輩……」
 本来ならばここで拍手喝采が起こるはずが、聞こえたのは同じ委員会の後輩が漏らしたうんざりとした調子の呟きのみ。不審に思って彼が視線を戻せば、そこに集まっていた後輩三人はそれぞれにげんなりとした表情で滝夜叉丸を見つめていた。
「ないわ……」
 ぼそりと呟いたのは一つ下の三之助だ。それに滝夜叉丸が鋭い視線を投げれば、彼は露骨に嫌な表情を作る。その生意気な態度に滝夜叉丸が物申そうとしたそのとき、傍の後輩がそれぞれ小さな悲鳴を上げた。驚いて振り返れば、地面に何やら盛り上がりが続いている。もぐらの通った跡のようなそれの原因に滝夜叉丸が気づくよりも早く、彼の目の前に大きな影と土砂が飛び込んできた。
「いけいけどんどーん!」
「ひっ……!」
 鼓膜を震わす大きな声に滝夜叉丸は思わず喉を引き攣らせた。彼がそれを目視するより早く、その影は滝夜叉丸の首をその腕に抱え込む。ぐ、と強く彼の喉元を絞め上げる腕に、滝夜叉丸は思わず声を張り上げた。
「七松先輩、変な登場の仕方をしないでくださいっ!」
「何おう!? お前だって随分変な現れ方をしたではないか! それに比べて私なんて地味なものだろう! それよりも、ほら全員で塹壕を掘るぞ! いけいけどんどーん!」
 滝夜叉丸の首を腕に入れたまま、小平太はさらに傍に居た金吾を片手で捕まえる。その横にいた四郎兵衛にも声をかけ、呆然とそれを見守っていた三之助にも視線を送る。それだけで彼らは今日の委員会もまた地獄であることを理解し、ただ委員長の告げる活動を遂行するために各々苦無を取り出したのだった。


| SS::1000のお題集 | 22:32 | comments (x) | trackback (x) |
リハビリがんばる。
 最近オフ用の原稿以外の小説をあんまり書いてないし、更新も全然できてないので、リハビリも兼ねて1日1話を目標にSSというか、SSSくらいの話をちまちま書いていきたいと思います。主に帰り時間を利用してぽちぽち携帯で打って、終わらなかったら最後パソコンで仕上げ。リハビリというか、書く習慣を取り戻すことが目的なので、あんまり推敲というか見直しはしません。ので、誤字脱字すみません。先に謝っておきます。本当は推敲までちゃんとやるべきなんだけど、多分それやったら目標達成できないので、とりあえず書くことを優先します。そのうちログを作るくらい溜まったら、HTML化する際にちらっと見直すことにします。
 因みにお題を使うんですが、「1000のお題集」です。わたしは本気です。割と。1日1話としても3年かかるんですがね、終わるのにwww まあ、人間やればできなくはない。実際に1回クリアしてるし、だからきっとできるはず。頑張ります。

 あ、因みに書くものは本当にバラバラです。
 今までネタ入れにぶっ込んできたアレソレや、連載終わった室町とか平安とかも入るかもしれません。お題に寄ります。また、全く新規の設定で現パロだったり別パロだったりもするかもしれません。アニメ準拠、原作準拠それも様々です。たまには女体化じゃないのも書きます。全てはお題次第です(大切なことなので二回言った)。もしかしたらオフの番外編とかも書くかもしれません。逆に、ここに溜めたネタがいつかオフに再利用されるかもしれません。まあ、要するに全て思いつきです。あと、実験的なネタも書きたいので、死ネタとか変態ネタとかも書くかもしれません。何でもありです。エロはありそでウッフン、なさそでウッフン。(これ何巻だったっけか……) 書いている時間が短いので、多分そんなには入らない。寸止めはよくあると思います。

| 戯言 | 22:07 | comments (x) | trackback (x) |

  
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